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加納ソルト

Author:加納ソルト&加納トマト&加納キムチ

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(加納ソルト 2007年5月1日更新)

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スプリットタンって知ってる?/金原ひとみ「蛇にピアス」
「蛇にピアス」を初めて耳にしたとき、新しい諺かと思った。動物プラス人工物という組み合わせの場合、多くは「価値のわからない人に価値のあるものを与える」意味になる。例えば「猫に小判」や「豚に真珠」などなど。確かに蛇にピアスをしたところで、何ら意味がないし、下手をすると動物虐待的な話になってしまう。しかし、「蛇にピアス」は金原ひとみが芥川賞を獲った小説である。

4087460487蛇にピアス
金原ひとみ
集英社 2006-06

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今まで、必ず仕事が終わると、家に帰宅していた男が帰ってこない。心配した同棲中の女は取り乱す。もしかすると、男は殺されてしまったのではないか? 女がそう考えるには理由がある。何ヶ月か前、チンピラに絡まれたところを助けた男がそのチンピラをボコボコにしてしまい、女は後日、新聞でそのチンピラと思われる男が死んでいたことを知るからだ。
そして、真犯人はひょんなところから発覚する。敵はいつも近くにいるというハリウッド的展開。

しかし、この小説はミステリとして読むことに意味はない。

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[加納ソルト]本・国内長編小説 | 21:48:22 | Trackback(0) | Comments(2)
葉桜の季節にオカンを想うということ/リリー・フランキー「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」

先日、ボクが仕事から帰ると、玄関前に大きな花束を持った女の人がいて「こんばんは」と挨拶すると、「いつもお世話になってます。先生はいらっしゃいますか?」と言うので、「オトーン、お客さんじゃ」とひと足先にご飯を食べてたオトンに声をかけました。
ボクの両親は共働きでありまして、学校を移動になるオトンの離任式があったそうなのですが、どうやらその日に会議が開かれ、出席できなかったようです。なので、わざわざ代表して花束とメッセージボードを届けにきてくれたみたいです。
その後、オトンと夕飯を食べていると、こちらも教師をしているオカンが帰ってきて、「すごい花束じゃね~、誰からなん?」と訊くので、オトンが適当に応えてました。オカンも着替えを済まし、夕食の席につき、食べ始めました。で、話題は離任式から教師生活を辞める時の話へ。


ソルト: オカンは定年まで働かないんじゃろ? 後、何年ぐらい働こうと思っとるん?
オカン: そうじゃねー、長くて3年。早くて今年いっぱい。
ソルト: ほんじゃあ、来年の3月で辞めるかもしらんということか…。
オカン: そうや。
ソルト: 退職したら、離任式は出るんか? 4月に開かれるから、言うたら出んでもええわけやろ?
オカン: まぁ、そうや。でも、そういうわけにも行かんじゃろて。
ソルト: 泣いてまうやろな。恥ずかしいけ、行かんとき。
オカン: 泣いてまうねぇ。
ソルト: 最後の挨拶は何を言うか、考えとるん?
オカン: そげなこと、まだ、考えてないわ。気が早いで。長いこと教師やっとるで、しゃべってたら、泣いてしまうじゃろし。
ソルト: そうじゃ、離任式の会場にボクら行っちゃろ。ボクとオトンとアイツ(弟)で。3人スーツでビシっと決めて、大きな花束持って。一番後ろに立っといちゃろ。どや?
オカン: …。それはあかんわ。もう…あかん…
ソルト: 何や、もう泣いとるんか?
オカン: そんなん…想像しただけで、出てまうわ。
ソルト: オカンは弱いなぁ。「長い間お疲れさまでした」って声をかけて、花束渡すわ。
オカン: ヤメれって。もう。
ソルト: ホンマ弱いなぁ。じゃあ、もうこの話はナシじゃ。


洗濯物を干していたオトンがテーブルに戻ってきて、オカンが泣いてるのを発見、「何事じゃ?」と言うので、コレコレこういう事情だと説明すると、ゲラゲラ笑いましたとさ。

というわけで、リリー・フランキー「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」です。

4594049664東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~
リリー・フランキー
扶桑社 2005-06-28

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コイツ迷惑かけすぎじゃね? と思ったり、あー、でもいつもお母さんのことを気にかけていい人やな~と思ったり、リリーさんから見たオカン像と短いエピソードの羅列により、お母さんを思う気持ちが伝わって、非常にいい作品でした。「時々、オトン」のスパイシーさも絶妙ですね。自分のオトンだったら、ちょっとヤだけど、いやかなりイヤかも…。

この作品は、まだまだ人気作ですね。町内の図書館に行ったら「行列の並ぶ予約本リスト」ってのがあって、第1位の34人待ちでした。2位の宮部みゆき「名もなき毒」が18人待ちでしたから、我が町では大差をつけての人気を誇っている作品のようです。本は2週間まで借りることができるので、もし、現時点で予約して手元にくるのは、最大で68週間後ということになります。来年の9月あたりでしょうか? もう自分で買って読んだ方が早いです(笑)。

そんな人気作品を私は貸してもらえるという幸運に恵まれ、読むことができました。読み終わった後、思ったことは今の時期に読めてよかったなぁ…と。
ネタバレになりますが、オカンは最終的に死にます。遺体は少し遠回りをして、オカンがよく散歩していた桜並木を通って、元気になって住むはずだった家へと無言の帰宅をします。
そして、今日4月15日がオカンの命日。リリーさんとオトン。そしてオカンを慕う愉快な仲間達が、手料理を持ち寄り、酒をたらふく飲んで、オカン話に花を咲かせていることと思います。

最後に私が一番グッときた箇所を紹介して終わります。

オトンの人生は大きく見えるけど、オカンの人生は18のボクから見ても、小さく見えてしまう。それは、ボクに自分の人生を切り分けてくれたからなのだ。

[加納ソルト]本・国内長編小説 | 12:25:23 | Trackback(0) | Comments(0)
女だらけの妄想大会/鹿島田真希「白バラ四姉妹殺人事件」
「白バラ四姉妹殺人事件」。なんとも魅力的なタイトルではありませんか。
白いバラ、四姉妹、殺人事件…。

[あらすじ]
人里離れた場所にまるで絵本の世界から飛び出してきたようなお屋敷が建っていました。そのお屋敷は別名「白バラ邸」と呼ばれています。何故なら手入れが行き届いた広い庭には白いバラが一面に植えられていたからです。そこで何不自由なく暮らす四姉妹。四姉妹は全員、透きとおるような白い肌に揃いの白いドレス。この世界は彼女たちのためだけに存在するかのようでした。
ある日、いつものように庭仕事をしていた年老いた庭師が一面の白バラの中に赤く咲いたバラを見つけました。「変じゃのう?赤いバラなんて植えたはずはないじゃが…」不思議に思い、近づいてみると、そこには白いドレス姿の末娘が両手を広げ、仰向けに寝ていたのです。しかも、なんと胸の真ん中にナイフが突き刺さり赤く染まっていました。庭師が見た赤いバラは白いバラに飛び散った血痕だったのです。

以上、妄想的あらすじ。

4104695017白バラ四姉妹殺人事件
鹿島田真希
新潮社 2004-08-28

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以下、鹿島田真希「白バラ四姉妹殺人事件」

[あらすじ]
母親と4姉妹の家族が住む家があった。長女の婚約者を母親が鈍器で殴り重症を負わせる。しかし、婚約者は行方不明になってしまう。そんな中、肉体関係のあった末娘が傷心自殺をするという事件が起こる。この事件に並々ならぬ興味を抱く婦人、娘、息子の一家族がいた。家族が集まると自然とその話題になり、果ては事件に感化されたかのように意識しなかった家族間の歪みが明らかになっていく…。

殺人事件に対する考察をしながら、物語は進む。会話が唐突に飛躍したり、固有名が出てこないこともあり、一体誰が話をしているのか見失ってしまう。しかし、この小説を読み終えると、男と女さえ見分けられた後はどうでもいいような気がしてくる。
結末部分、ほぼ同時に殺人事件の真相に辿りつく、婦人と娘。だが、この推理は根本的なところで間違っていた。
そして息子は最後にこう語る。「母親は黒いドレス、娘は白いウェディングドレスを着るんだ。母親は母親らしく。花嫁は花嫁らしく。結婚式は素晴らしい」
まあ、こんなところ。

[加納ソルト]本・国内長編小説 | 17:29:37 | Trackback(0) | Comments(0)
僕がついたひとつの嘘とは?/村上春樹「風の歌を聴け」
4062748703風の歌を聴け
村上 春樹
講談社 2004-09-15

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今日は行き帰り合わせて2時間、電車に乗らなくてはいけなかった。なので、短めの小説「風の歌を聴け」を携えて目的地に向かった。「風の歌を聴け」を読むのは通算2度目。

東京の大学に通う「僕」が夏休みに実家に帰省した際起こった出来事が綴られている。


この話は1970年の8月8日に始まり、18日後、つまり同じ年の8月26日に終わる。


この期間に「僕」は金持ちの友達「鼠」とビールを飲み、「4本指の女」と出会い、別れる。と、あらすじだけを読んでもさっぱりおもしろくない。(全部読んでも特におもしろいわけではないが…)


おもしろくないのだが、1つ気になるシーンがある(実はもうひとつあるがやめておく)


僕は時折嘘をつくが、最後に嘘をついたのは去年だと言う。その回想シーン。


僕: 「何か食べ物はないかな?」
彼女: 「探してみるわ」


彼女はパンを見つけ、サンドイッチを作りベッドまで運ぶ。


彼女: 「芥子はなかったわ」
僕: 「上等さ」


僕と彼女はサンドイッチをかじりながら「戦場にかける橋」を鑑賞。


彼女: 「何故あんなに一生懸命になって橋を作るの?」
僕: 「誇りを持ち続けるためさ」
彼女: 「ム……」


しばらく考え込んだ後、


彼女: 「ねえ、私を愛してる?」
僕: 「もちろん」
彼女: 「結婚したい?」
僕: 「今、すぐに?」
彼女: 「いつか…もっと先によ」
僕: 「もちろん結婚したい」
彼女: 「でも私が訊ねるまでそんなこと一言だって言わなかったわ」
僕: 「言い忘れてたんだ」
彼女: 「…子供は何人欲しい?」
僕: 「3人」
彼女: 「男?女?」
僕: 「女が2人に男が1人」


彼女が僕の顔をじっと見て、


彼女: 「嘘つき!」


僕によると、彼女は間違っているとのこと。僕はひとつしか嘘を言わなかったらしい。


[問題] 僕がついた嘘は何なのか?
①彼女を愛していること
②彼女と結婚したいこと
③子供が3人欲しいこと
④サンドイッチに芥子がなくても別にかまわないこと
⑤その他



[加納ソルト]本・国内長編小説 | 21:12:01 | Trackback(0) | Comments(3)
強制リセット/小川洋子「博士の愛した数式」
4101215235博士の愛した数式
小川 洋子
新潮社 2005-11-26

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数日前からベッドに寝転んで、ポツリポツリと数ページずつ読んでいる…。ルートが博士にラジオを修理してもらう代わりに受けた宿題のシーンまで到達。


主人公の博士は64歳。彼は17年前に交通事故に合い、記憶に不自由することになってしまう。記憶がなんと80分しか持続しないのだ。義姉の未亡人によると多くも少なくもない「きっちり」らしい。


我々は朝目覚めたとしても、自分が自分であることを認識できる。昨日の自分と今日の自分の連続性が保たれいる。変化は当人が気づかないうちに起きている。


一方、博士の場合は64歳と47歳。


スゴイ差ではないだろうか?彼の記憶は47歳の時点で止まっているのだから、80分ごとに唐突に老けた自分に直面せざるをえない。自分だけではなく周りの景色や家の中の電化製品などなど…。80分毎のタイムスリップ体験。普通の神経ならば、起きるたびにドタバタ、ジタバタするだろうことは容易に想像できる。


未来の自分に教える手段として、彼は背広にメモをクリップする。メモのクリップだけが、47歳以降も彼が生きていたことを語っている。



[加納ソルト]本・国内長編小説 | 21:15:56 | Trackback(0) | Comments(2)

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