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加納ソルト

Author:加納ソルト&加納トマト&加納キムチ

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(加納ソルト 2007年5月1日更新)

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ノッポが町にやってきた/マイケル・マーシャル・スミス「猫を描いた男」
古来より絵には魂が宿っていて、描かれたモノが動き出すといった話は数多くある。
「虎がこの屏風から出てきて悪さをするので困っておるんじゃ。どうにかしてくれんかのう?一休」とは将軍様が一休さんに無理難題を言って困らせている有名な場面。これに対し一休さんは「わかりました。私がこの虎を退治しましょう。では、虎を屏風から出してください!さぁ早く!」と、お寒い展開に会場は苦笑い。という例のあれ。ところで、話はマイケル・マーシャル・スミス「猫を描いた男」

[あらすじ]
長身で無口だが、雰囲気のある絵描きのトムが、何故か観光客の多いキングズタウンにやってきた。広場で毎日のように絵を描いてて、それはもう感動するほどうまいし、よく売れた。石畳にチョークで描くときもあるんだけど、本物?と見間違うほど生命感にあふれている。トムいわく、誰も買うことができなくて、いつかは消えてしまうものだから自分の100%を込められるというわけ。酒びたりの夫・サムの暴力に悩む、母子がいた。息子ビリーはトムの絵が好きで毎日そばで絵を描くのを見ていた。それだけで心がなごんだんだろう。ある夜、顔を傷だらけにしたビリーが助けを求めやってきた。カンカンに怒ったサムが追いかけてきて、連れて行こうとする。その時、サムの叫び声が広場にこだました…。

荒野の町に流れ着いた孤独なカウボーイが町を救うといったところでしょうか?
結末は目に浮かぶし、トムが長身を折り曲げて座り込み、熱心にキャンバスに向かう姿も目に浮かびました。

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[加納ソルト]本・海外短編ミステリ | 17:27:03 | Trackback(0) | Comments(0)
レイチェル・ホワイトをよろしく/マイケル・マーシャル・スミス「あとで」
おなじみマイケル・マーシャル・スミス「みんな行ってしまう」より、「あとで」です。

[あらすじ]
パーティに出かけるため用意をしたが、どうでもよくなり、同じく用意をしているレイチェルに近づきキスをすると「あとで」と笑みを浮かべられた。ドアに鍵をかけ、振り返ると白いドレスの彼女がとっても似合っていた。しかし、次の瞬間突っ込んできた車にレイチェルは轢かれて死んでしまった。
レイチェルの突然の死を受け入れることができないまま、葬儀も終わり、一人になったところで決心する。「レイチェルを掘り出そう」と。

おあずけをくらって、たまらなくなり遺体を掘り出そうとしたわけでは決してありません。愛する気持ちがそうさせたのでしょう。最後のシーンは正常な精神ではありえない出来事が描かれますが、念じれば思いは叶うのかもしれません。
なんとなく京極夏彦のある作品が頭に浮かびました。全然違うけど。

[加納ソルト]本・海外短編ミステリ | 19:45:17 | Trackback(0) | Comments(0)
Dreams Come True/マイケル・マーシャル・スミス「地獄はみずから大きくなった」
マイケル・マーシャル・スミス「みんな行ってしまう」より、「地獄はみずから大きくなった」です。

[あらすじ]
あらゆるウィルスから人体を守る「ベッキー」の開発…そう、医療用ナノテク研究のために集まった男女3人。研究は順調に進んでいたが、実験中レベッカがエボラ・ウィルスに感染して死亡してしまう。レベッカの死にショックを受けたフィリップは研究から離れ、行方知れずとなってしまう。一気に2人の仲間を失った私だが研究を続け、ウィルスに犯された体を確実に健康体に戻せるようになるまでこぎつけた。
そんなある日、フィリップが研究所に戻ってきて「ベッキーを違った方向で再開発したい」と言い出した。霊媒能力のある人の脳の一部分を複製し、誰でも霊媒になれるようにするというものだった…。

男2人と女1人。一般的には「ドリカム状態」と呼ばれたりもする。
音楽の世界に目を向けてみると、本家のDreams Come Trueを始め、Eery Little Thing、My Little Lover、day after tomorrow…と数多く存在する形態です。(ここに挙げた4組が3つの英単語で構成されているのは偶然?)
他の分野でもあだち充の「タッチ」、映画「パールハーバー」(何故か浮かんだ)など、数多くあるでしょう。
そして、例に挙げたグループや作品は1人の男が抜けた後も、活躍(おっと、デイアフは解散したか…)し、あるいはハッピーエンドを迎えて物語を閉じます。

この作品も「ドリカム状態」ストーリーなのですが、一風変わっています。
それは女性がいなくなってしまうところ。

女が抜けるとどうしてこのような事態になってしまうのだろう?
例えば女は2人の男を結ぶ「蝶番」だと仮定してみましょう。
蝶(=女)が飛び立ってしまうと、残るのは2GUY(=男2人)です。(だから何だよ?って話…)

ある意味、夢は叶えられたわけですが、ハッピーエンドではありません。

[加納ソルト]本・海外短編ミステリ | 11:23:28 | Trackback(0) | Comments(2)
ネバーランド/マイケル・マーシャル・スミス「みんな行ってしまう」
赤毛の少年の落ち窪んだ瞳が妙に怖い表紙のマイケル・マーシャル・スミス「みんな行ってしまう」です。
短編集なので、1話目に置かれている表題作「みんな行ってしまう」から…

448872101Xみんな行ってしまう
マイケル・マーシャル・スミス
東京創元社 2005-09-22

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[あらすじ]
きのう「荒地」から帰るとき男を見た。今日もぼくは「荒地」に遊びに行こうと親友のジョーイとマットを誘いに行った。するときのうの男がまた様子を伺っていた。
「荒地」に向かう途中マットは口数少なく、何か言いたげだったが、遊んでいるうちにそんなことは忘れるくらい楽しんだ。明日が今日と同じくらい楽しいという保証はないから…。でも、気になるのは「荒地」でも男は僕たちをこっそり見ていたこと。
夕食の時間が迫ってきたので、僕たちは家に帰った。みんなと別れひとりになると、男が近づいてきた…。

ピート少年を伺う怪しい男の影、マットの何か話がある雰囲気、そして何よりもタイトルの「みんな行ってしまう」というワンフレーズが気になる短編。ラストでは当然明らかになります。そしてその結末は一抹のせつなさを残すものになっています。

余談ですが、マットのママを性格を示す文章の中にこんな一文が出てきます。

ぼくのことを「ピート」じゃなくて、「ピーター」って呼ぶのは、世界中じゅうでこの人しかいない。

できるなら「世界中のあらゆる人が「ピーター」と呼んでいるんだよ」と、そっと教えてあげたい。


[加納ソルト]本・海外短編ミステリ | 22:39:54 | Trackback(0) | Comments(0)
「ただいま」という声が泣いているように聞こえた/エドモンド・ハミルトン「向こうはどんなところだい?」
フェッセンデンの宇宙 著/エドモンド・ハミルトン
「向こうはどんなところだい?」

4309621848エネルギー源ウラニウム確保のため送り出されている第2次火星探検隊。
火星探検は苛烈さを極める。
ロケットが離陸する際には何人かが内臓をに傷を負う。火星に降下するときは自分が搭乗しているロケットが大破しないようにただ祈るだけ。火星に着いても何ヶ月もの間、少ない食料、心もとない医療体制で日々を過ごさなければならない。そこには地球で暮らす人々が憧れる火星探検隊の姿など微塵もない。
そんな中(第2次探検隊は第3次探検隊と交代で地球に帰ることができる)「本当に第3次探検隊は来るのか?計画は中止になって俺たちはここに一生捨てておかれる」などと隊一体に不安が広がる。任務を遂行しようとする者と火星から脱出しようとする者との対立が激化していき、多くの死者が出る。
火星病にかかりながらも、無事地球に帰ってくることができたフランク・ハッドン軍曹。だが彼の心は晴れない。何故なら火星で死んだ仲間の身内に亡くなったことの報告をしなければならないからだ。


行く先々で人々は人類のために火星に行ったフランクにこう訊ねる。「向こうはどんなところだい?」と。最後に故郷に戻るが、待ちうけていたのは地元の英雄の大歓迎。町中がフランクのことを誇りに思っているのだ。実際に火星で起こった出来事と人々が思い描く火星探検の虚像との乖離に思い悩み、幾度となく本心をぶちまけたい欲望にかられるが、グッと耐えるフランク。それは戦争から帰還した(大切な仲間を失い、日々生き残ることだけを祈る)兵士の姿と重なる。



[加納ソルト]本・海外短編ミステリ | 21:20:42 | Trackback(0) | Comments(4)

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