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加納ソルト

Author:加納ソルト&加納トマト&加納キムチ

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(加納ソルト 2007年5月1日更新)

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生きることの恥ずかしさ/米澤穂信「ボトルネック」
誰だってそうだが「恥」をかくことを嫌う。感情を押し殺しているせいで、周囲の人間は「恥」をかきっぱなしだ。恥ずかしい行為をしてしまった時、相手にどう思われてるんだろう?と気になる。しかし、相手のリアクションがないと、気持ちがザワつき、二倍「恥」をかいた気分。ズバリ言われた方が、気が楽ってなもん。だから、あなたも恥をかいてね…。余談。

Dead Or Aliveボトルネック
米澤穂信
新潮社 2006-08-30

by G-Tools


[あらすじ]
恋人・ノゾミを弔うため東尋坊に来ていた僕・リョウは強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった…はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢市内の公園のベンチの上。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しない姉・サキに出迎えられる。どうやらここは「僕の産まれなかった世界」らしい。

ボトルネックといえば、渋滞の時によく聞く、車線が減少したり、合流地点なので起こる現象のこと。出口がひとつなのに大量の車が流れ込むとどうしても詰まってしまう。「ボトルネック」と「パラレルワールド」のキーワードで「そういうことね」と一人で勝手に結末を想像して納得顔をしていたわけだが、その余裕の笑みがだんだん引きつってくる。

【ボトルネック】
瓶の首は細くなっていて、水の流れを妨げる。
システム全体の効率を上げる場合の妨げとなる部分のことを、ボトルネックと呼ぶ。
全体の向上のためには、まずボトルネックを排除しなければならない。(p127)

なんだか穏やかじゃない。

サキと一緒に元の世界に戻る手ががりを探すことになったリョウ。しかし、リョウが産まれなかった世界にはいろいろ「間違い」があった。ドアの鍵。父と母の結婚記念の皿。安い食堂。などなど一人の人間が変わっているだけなので、極めて些細な違いだが、リョウはノゾミが生きていることを知り、驚く。

リョウの世界では、生きること厭っているかのような暗さだったノゾミが、サキの世界では天然キャラで底抜けに明るい。死んでいるはずの人間が生きているということは…。

「外から眺める世界は果てしなく単純である。しかし、そこに巻き込まれてあるとき、全ては無際限となり説明しようのないものになる」とはヴァレリーの言葉。
「推理小説を読むと、答えが簡単にわかるのに、実際の事件にでくわすと、どうしてもこうも思考が混乱するのかしら?」(こんなニュアンスだった)とは西之園萌絵の発言。

仕方がないとえば仕方がない。その残酷さに抵抗する術があるのかもしれないが、「ま、もう少しオトナになれば、お前もいい経験だったなと思えるはずさ」という高みにたった言葉とは違った方法で。現在進行形の生を語るの実に恥ずかしい。
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[加納ソルト]本・国内長編ミステリ | 10:19:42 | Trackback(0) | Comments(0)
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