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加納ソルト

Author:加納ソルト&加納トマト&加納キムチ

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(加納ソルト 2007年5月1日更新)

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時間は可変性がある/梶尾真治「この胸いっぱいの愛を」

マルタ: 僕が小学生の頃だったかな? 友達と公園で野球して遊んでたんだ。ワイワイ遊んでたんだけど、道路をまたいだ歩道の辺りに立ってた男がチラチラ視界に入るのが気になったの。なんかジーッとコッチを見てるんだ。
クレタ: うわーなんかキモチワルイね。子供を狙う変質者的な人なんじゃないの?
マルタ: 運悪く、友達が打ったボールが道路まで飛んで行ってしまって、ボールを取りに行ったんだけど、男がボールの数メートル先に立ってて、僕の方をジーッと見てるんだ。「何見てんだよオッサン」と心の中で呟きながら、無視してボールを拾って公園に戻った。しばらくして、また友達が大きいの打って、道路に飛び出た。やれやれ、と思いつつ取りに行こうとしたら、やっぱり男がコッチを見てるわけ。そして、近づいてきて…。拾ってくれたんだ。ボールを。でもね…
クレタ: ゲゲッ!いよいよ?
マルタ: 次の瞬間、顔が豹変して「おまえ、明日から絶対ココで遊ぶなよ! 遊んでるの見つけたらシバクから」と低い声で言うんだ。
クレタ: えー メチャメチャ怖いやん。
マルタ: そりゃ怖いよ。チビリそうになったもん。逃げるように友達の所へ駆け寄って行って、「向こうにヤバいオッサンがいるから、もう帰ろう」と言った。でも、友達は「どこに?」みたいな不思議な顔をするんだよね。振り返って道路の向こうを指差そうとしたら、男はもういなかった…。さっきの話をしたらみんな気味悪がって、結局、家に帰ったんだ。明日も公園で遊ぶ約束してたけど、それも止めることにした。後で気づいたんだけど、次の日からその公園の近くで住宅開発が始まって、ダンプがよく通るようになったんだ。遊んでたら、もしかして飛び出して行った時に轢かれて死んでたかも…。今では未来の自分が教えてくれたと確信してる。
クレタ: その解釈、都合良すぎでしょ(笑)。タダの変なオッサンよ。絶対。
マルタ: そうかな? 僕が年老いた感じだったんだけどなー。まぁ、いっか。というわけで、梶尾真治「この胸いっぱいの愛を」です。


4094080473この胸いっぱいの愛を
梶尾真治
小学館 2005-09-06

by G-Tools

[あらすじ]
もし、もう一度、あの時間に戻れるとしたら。そして、やり直すことができるとしたら…。
大好きだった年上のある女性、産んだ直後に死んでしまった母、交通事故で亡くなってしまった息子。1986年、門司。"あること"をきっかけに、過去に戻ってしまった登場人物たちそれぞれの群像劇。(表紙裏より)


クレタ: 登場人物たちの共通点は「門司行224便に搭乗した」ことと「1986年に何らかのこだわりがある」こと。その人たちが過去へ飛ばされてしまう。で、亡くなってたはずの人たちを救ったりするわけです。鈴谷のエピソードを中心に据えながら、それぞれの小話も秀逸で胸に熱いものが込み上げてきますね。
マルタ: 特に死んでしまった稔を救う元夫婦の和彦と栄子の話が好きだな。よくできてる。稔の死の前日に飛ばされたことに気づいた2人は、何としても、稔を救おうと考えるんだ。それこそ、犯罪も辞さない覚悟で。この時代では現在のお金が使えないため、宿をとるために自分たちの家に忍び込んでお金を盗む。それは明日、稔の学費保険の支払のために下ろしてあったお金だった。もし運命が変えられないなら、このお金は必要なくなるからと自虐的に笑い合った。稔の死の原因は朝、栄子に頼まれ、和彦の書類を届けようとして交通事故で亡くなっていた。時刻は8時45分。本当はこの書類、今日は必要ないからと和彦はあえて置いていったんだけどね。だからお互いが自分に責任を感じてるんだ。で、当日バス乗り場で、稔が来る前に来るはずの当時の和彦を待った。早く家に戻れ! と言うために…。
クレタ: しかし、来なかった…。どうしてだろう? という話だったわね。
マルタ: 僕たちは「過去は改変できない」と教えられて育った世代。でもこの小説では、可変的なものとして描いているんだよね。そして、このエピソードで使われた手法はうまいです。
クレタ: この作品、映画のノベライズなのよ。結末が違うようだから、映画も観ないとね。

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[加納クレタ&マルタ]本・国内長編ミステリ | 00:48:31 | Trackback(0) | Comments(0)
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