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加納ソルト

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(加納ソルト 2007年5月1日更新)

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I Love EQ?/北村薫「ニッポン硬貨の謎」
国名シリーズの骨格を借りた本なのですが、エラリイ・クイーンで読んだものといえば「Xの悲劇」「Yの悲劇」の2作品だけという情けない(?)有様。そう、私はエラリイ・クイーンの熱心な読者ではありません。(※1)
ですが、背表紙が魅力的だったので、図書館で思わず手にとってしまった北村薫「ニッポン硬貨の謎」

※1 「熱心な読者ではない」…一度は使ってみたい表現ですよね。

4488023827ニッポン硬貨の謎
北村薫
東京創元社 2005-06-30

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この本はエラリイ・クイーンが実際に作家兼探偵として活躍し、来日した際起こった連続殺人事件を描いた未発表原稿「ザ・ジャパニーズ・ニッケル・ミステリ」を北村薫が翻訳した体裁となっています。また、注釈も凝りに凝って、遊び心溢れるパスティーシュ作品です。
そして、クイーンが出くわす連続殺人事件が、その昔、若竹七海がバイト先の本屋で遭遇した不思議な出来事「五十円玉二十枚の謎」(※2)の解答となっていることも見逃せません。

国名シリーズを読んだ方ならすごく楽しめるんだろうなぁと、多少後悔しつつ読み進めました。作中に「クイーン論」も出てきて、ますます後悔。「シャム双子の謎」のネタバレも出てきた段階では読むのを止めようかと思ったほど。
いつもの私なら「未読の方はご注意ください」の文字に反応し、そっと本を閉じる性格なんですが、今回は「ええままよ!」と読みきりました。結局、誰が犯人かわからなかったので、結果オーライです。
この作品の一番の読みどころは「クイーン論」でしょうか? 展開される「カキ=ヒョウグ(描表具)の技法」の件は唸りました。

日本の美術作品は、巻物となることがあります。その際、洋画でいうなら額縁に当たる、表装部分にまで絵を描くことです。絵の外の世界をも取り込み、作品の一部にしてしまう---これを、《描表具》といいます。ごく特殊な表現方法です

私がパッと思いつくのは、村上春樹「風の歌を聴け」のデレク・ハートフィールドでしょう。デレクの墓を訪れるあとがきまで、作品に取り込んでしまう形で描かれた小説。最初読んだときは実在の人物だと思いましたが、実は架空の人だったというオチ。他は、倉知淳「星降り山荘の殺人」、森博嗣がシリーズのある時点で登場人物表を載せなくなった事などが思い浮かびます。作者の遊び心溢れる技法の一種と言えるでしょう。

とまあ、パスティーシュ、評論、本格ミステリ、五十円玉二十枚の謎の解答と贅沢な一冊です。

※2 「五十円玉二十枚の謎」…土曜日の度に50円玉20枚を1000円札に両替する男の話。何故男は50円玉20枚を両替するのか? の解答をミステリ作家、一般公募で募集し話題となったらしい。

4488400523競作五十円玉二十枚の謎
若竹七海、依井貴裕、有栖川有栖他
東京創元社 2000-11

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[加納ソルト]本・国内長編ミステリ | 22:44:49 | Trackback(0) | Comments(0)
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