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加納ソルト

Author:加納ソルト&加納トマト&加納キムチ

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(加納ソルト 2007年5月1日更新)

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葉桜の季節にオカンを想うということ/リリー・フランキー「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」

先日、ボクが仕事から帰ると、玄関前に大きな花束を持った女の人がいて「こんばんは」と挨拶すると、「いつもお世話になってます。先生はいらっしゃいますか?」と言うので、「オトーン、お客さんじゃ」とひと足先にご飯を食べてたオトンに声をかけました。
ボクの両親は共働きでありまして、学校を移動になるオトンの離任式があったそうなのですが、どうやらその日に会議が開かれ、出席できなかったようです。なので、わざわざ代表して花束とメッセージボードを届けにきてくれたみたいです。
その後、オトンと夕飯を食べていると、こちらも教師をしているオカンが帰ってきて、「すごい花束じゃね~、誰からなん?」と訊くので、オトンが適当に応えてました。オカンも着替えを済まし、夕食の席につき、食べ始めました。で、話題は離任式から教師生活を辞める時の話へ。


ソルト: オカンは定年まで働かないんじゃろ? 後、何年ぐらい働こうと思っとるん?
オカン: そうじゃねー、長くて3年。早くて今年いっぱい。
ソルト: ほんじゃあ、来年の3月で辞めるかもしらんということか…。
オカン: そうや。
ソルト: 退職したら、離任式は出るんか? 4月に開かれるから、言うたら出んでもええわけやろ?
オカン: まぁ、そうや。でも、そういうわけにも行かんじゃろて。
ソルト: 泣いてまうやろな。恥ずかしいけ、行かんとき。
オカン: 泣いてまうねぇ。
ソルト: 最後の挨拶は何を言うか、考えとるん?
オカン: そげなこと、まだ、考えてないわ。気が早いで。長いこと教師やっとるで、しゃべってたら、泣いてしまうじゃろし。
ソルト: そうじゃ、離任式の会場にボクら行っちゃろ。ボクとオトンとアイツ(弟)で。3人スーツでビシっと決めて、大きな花束持って。一番後ろに立っといちゃろ。どや?
オカン: …。それはあかんわ。もう…あかん…
ソルト: 何や、もう泣いとるんか?
オカン: そんなん…想像しただけで、出てまうわ。
ソルト: オカンは弱いなぁ。「長い間お疲れさまでした」って声をかけて、花束渡すわ。
オカン: ヤメれって。もう。
ソルト: ホンマ弱いなぁ。じゃあ、もうこの話はナシじゃ。


洗濯物を干していたオトンがテーブルに戻ってきて、オカンが泣いてるのを発見、「何事じゃ?」と言うので、コレコレこういう事情だと説明すると、ゲラゲラ笑いましたとさ。

というわけで、リリー・フランキー「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」です。

4594049664東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~
リリー・フランキー
扶桑社 2005-06-28

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コイツ迷惑かけすぎじゃね? と思ったり、あー、でもいつもお母さんのことを気にかけていい人やな~と思ったり、リリーさんから見たオカン像と短いエピソードの羅列により、お母さんを思う気持ちが伝わって、非常にいい作品でした。「時々、オトン」のスパイシーさも絶妙ですね。自分のオトンだったら、ちょっとヤだけど、いやかなりイヤかも…。

この作品は、まだまだ人気作ですね。町内の図書館に行ったら「行列の並ぶ予約本リスト」ってのがあって、第1位の34人待ちでした。2位の宮部みゆき「名もなき毒」が18人待ちでしたから、我が町では大差をつけての人気を誇っている作品のようです。本は2週間まで借りることができるので、もし、現時点で予約して手元にくるのは、最大で68週間後ということになります。来年の9月あたりでしょうか? もう自分で買って読んだ方が早いです(笑)。

そんな人気作品を私は貸してもらえるという幸運に恵まれ、読むことができました。読み終わった後、思ったことは今の時期に読めてよかったなぁ…と。
ネタバレになりますが、オカンは最終的に死にます。遺体は少し遠回りをして、オカンがよく散歩していた桜並木を通って、元気になって住むはずだった家へと無言の帰宅をします。
そして、今日4月15日がオカンの命日。リリーさんとオトン。そしてオカンを慕う愉快な仲間達が、手料理を持ち寄り、酒をたらふく飲んで、オカン話に花を咲かせていることと思います。

最後に私が一番グッときた箇所を紹介して終わります。

オトンの人生は大きく見えるけど、オカンの人生は18のボクから見ても、小さく見えてしまう。それは、ボクに自分の人生を切り分けてくれたからなのだ。
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[加納ソルト]本・国内長編小説 | 12:25:23 | Trackback(0) | Comments(0)
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