投稿日:2008-03-02 Sun
例えば、バスの出発時刻が17:52だとする。例えば、家からバス停まで行くのにかかる時間が2分とする。
17:49に家を出れば、待ち時間なしに乗れる。
しかし、実際にはそうならない。どうにも気が焦るからだ。
結局、毎度10分前には出発してしまい、寒空の中バスを待つ。
頭ではわかっているけど、気がせくくらいなら、震えながら待つ性分なのだ。
その方が落ち着く。
最寄の駅に着き、切符を買う。
行先までの値段は完全に頭に入っている。
だが、路線図を見て、値段を確認する。
販売機を前にし、切符の買い方に戸惑ってみせる。
普段電車になどに乗らない芸能人あるいはセレブ的人種であるかのように。
誰も見てないのに演じるちょっとした楽しみ。
待ち合わせの時間までには余裕があった。
急行をパスし、各駅に乗る。
車内はガラガラ。端っこの座席に腰を下ろす。
ボクのトナリは空いている。
前に座っている女がケータイの画面を見ながら、寝ていた。
斜め向かいの大学生風の男達はおしゃべりに夢中だ。
ボクのトナリは空いている。
「予定時間より早く着くかも?!」
「かも?!」ではなく、確実に早く着く。相手にプレッシャーを与えるメールを送ってみる。
何駅か過ぎた後に、「なるべくこちらも早く行くようにします!」と返信があった。
いつのまにか乗客は増えている。
ボクのトナリは誰もいない。
カップルが別の車両からやってきた。女がボクのトナリに座ろうとする。
しかし、男が「向こうの方が空いてる」と指をさす。「そうだね」と女はうなずく。
ボクのトナリはやはり誰もいない。
待ち合わせの場所に着く。予定通り早く着いてしまった。
店の中に入って待つと連絡をする。
ボクのトナリにはまだ誰もいない。
待っている間、トイレを借り、おしぼりで手を拭き、タバコを1本吸った。
電話がなる。「どこにいてるの?」
どうやら、決めていた店とは違う店に入ってしまったようだ。
苦笑いの店員を横目に、精一杯申し訳ない顔をして店を出た。
店を見つけ、ボクはその人のトナリに座った。
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