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加納ソルト

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(加納ソルト 2007年5月1日更新)

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彼氏彼女の事情/米澤穂信「春期限定いちごタルト事件」
4488451012春期限定いちごタルト事件
米澤穂信
東京創元社 2004-12-18

by G-Tools

小鳩常悟郎クンと小佐内ゆきサンはある約束をしています。それは互いに互いを逃がすこと。つまり相手が困った状況に追い込まれた時はお互いを口実に使って逃げようという固い約束なのです。この約束に至る経緯はどうやら込み入った事情があるようです。
小鳩クンはかつて何でも首をつっこみ、調子にのってしまうクセがありました。いつもシャシャリ出てはご自慢の頭を働かせるが、解決披露をもったいぶっている間に手遅れになる失敗を繰り返す。名探偵気取りのイヤな奴だったのです。一方、小佐内サンの方も過去にドえらい秘密を抱えているようですが…これはまた別のお話。
この物語はそんな2人が様々な困難を乗り越え、手に手を取り合って清く慎ましい「小市民」を目指す悲劇?いや喜劇なのです。


クレタ: 関係ないけど、小鳩常悟郎が後鳥羽上皇に聞こえちゃって。
マルタ: コバトジョウゴロウとゴトバジョウコウ。似てるといえば似てるね。どうでもいいけど…内容は短編が計4つとそれぞれの短編に伏線がはられた「春期限定いちごタルト事件」が長編として読める構造になってますね。短編の内容は以下の通りです。


「羊のきぐるみ」
晴れて高校生になった小鳩クンと小佐内サン。入学間もない頃学校で女子学生のポシェットがなくなる事件がが起こります。小学校時代の小鳩クンを知る健吾から一緒に探してくれと依頼されます。「30分だけなら」と気軽に引き受けますが…。ポシェット捜索隊のメンバーは盗まれた張本人吉口と男子生徒高田と下村、そして健吾と小鳩クンの5人。手分けして学校をくまなく探しますがなかなか見つかりません。ラチがあかないので一度集まろうと健吾がケータイで連絡を取りますが、下村はすでに帰ってしまった後、高田は健吾と連絡を取り合いながらコントのようにお互いがお互いを探しあう形になって、学校中をウロウロしだす始末。結局警察に被害届を出そうということになり…。入学早々面倒なことが起きますね。


「For Your Eyes Only」
また健吾からの依頼です。高校に入って以来彼から頼まれごとをよくする小鳩クン。おとなしく小市民を目指すのはなかなか困難です。パステルカラーで描かれた穏やかな田園風景の2枚の絵。塗り方も平板なのですが筆の後がまったくないほど厚く塗られ何か特殊な意図を感じます。しかも山、野原、畑、家など輪郭線もきっちりと描かれており、微妙に絵に違いがあるのです。この不思議な絵は2年前に卒業した大浜が描き、時がきたら取りに来ると美術部の勝部にあずけられたものでした。大浜は日展を目指すほどの美術的才能があり、「これは世界で一番高尚な絵だ」と笑いながら言っていたとのこと。しかし、高校時代に受賞した際、受けたインタビューでは「僕は高尚ってのがよくわからない。高尚と低俗では低俗なものが多いから少ないものが高尚?」とも発言してもいます。果たしてこの絵にはどんな意味が込められているのでしょうか?ヒントは「三つの君に六つの謎」です。


「おいしいココアの作り方」
またまた健吾がらみ。小市民を目指すには苦労が絶えません。先日のお礼がしたい(2枚の謎の絵事件)というので小鳩クンと小佐内サンは健吾の家にお呼ばれします。そこで健吾はおいしいココアを二人に出し、おいしいココアの作り方をレクチャーするのです。
1. ココアパウダーを入れる。
2. 少量の熱々のミルクを入れる。
3. ペースト状になるまでグルグルかき回す。
4. その上から適量ホットミルクを注いで砂糖を入れる。
5. かき回してできあがり!
あまりにも謎を解いた小佐内サンに感謝するのでいたたまれなくなった小佐内サンはトイレを借りに1階へ。そこでまたしても謎が二人を襲います。戻ってくるのが遅いので気になった小鳩クンは自分もトイレを借りるフリをして小佐内サンを探します。すると台所から健吾の姉知里と小佐内サンの話し声が…。知里が「シンクが乾いているのはおかしい」と言い出すのです。ホットミルクを作るためには鍋が必要ですが、その鍋が洗われた形跡がない。電子レンジ温めるという手もありますが、先ほど聞いたココアの入れ方ではもうひとつ余分にコップが必要になってきます。わざわざ謎を提示するために健吾が複雑な手順を踏むとも考えられません。果たして健吾はどうやってココアを入れたのでしょうか?しかし、変なことに興味を持つお姉さんですね。


「はらふくるるわざ」
小佐内サンのクラスで中間テストの最中、ロッカーの棚から栄養ドリンクのビンが落ちて割れます。その音のせいで驚いた小佐内サンは思い出しかけていた答えが何処かへ飛んでいってしまいます。その悲しみ(怒り?)から今まで絶っていたケーキ屋「ハンプティダンプティ」のケーキバイキングに手を出してしまいます。話を聞いた小鳩クンは栄養ドリンクのビンが1メートルにも満たないロッカーの棚からリノリウムの床に落ちて割れたことに不審を抱きます。またしてもムラムラと持ち前の…小市民への道は遠そうです。


「狐狼の心」
「春期限定いちごタルト事件」の解決編です。各事件に張り巡らされた伏線が最後に明らかになり、小佐内サンの秘められた性格の一端がかいまみえますので読んでのお楽しみ!


クレタ: 「For Your Eyes Only」の結末は好きなフレーバーです。タイトルがそのままヒントの作品ですね。
マルタ: 森博嗣の短編に似たようなのがあるよ。確か世界で一番驚く犯人を描くミステリを書くという設定を課せられたミス研の合宿の話なんだけどね…。ミステリの醍醐味である殺人は全く行われない日常の謎を主体としたミステリです。解決してもされなくても特に誰が困るというわけではないという点でほんわかしてますね。
クレタ: 自分の探偵気質に悩む主人公という設定がいいよね。
マルタ: 「僕は本当はこんなことしたくないんだけど…そっとしておいてよね。」みたいな(笑)。謎自体はシンプルなので、読みどころは2人が小市民になるのを邪魔されていくところかな?小佐内サンの過去に何があったの!はこの本を読んだ人共通の興味だろうしね。次回作があるとすればそこに期待。
クレタ: あのね、ここだけの話、おいしいココアの入れ方は実践済みです。

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[加納クレタ&マルタ]本・国内長編ミステリ | 00:38:30 | Trackback(1) | Comments(5)
コメント
タイトルにしても表紙にしても、女の子向けっぽい本だね。
しかし、いいね~、殺人事件ではないストーリーでの謎解き。

僕は今ミステリからは遠ざかってしまってるから、またそっち系が読みたくなってきた。

2006-04-16 日 21:30:14 | URL | うなぎ [編集]
どうやら続編が発表されているようです。
その名も「夏季限定トロピカルパフェ事件」というそうです。
秋には「マロン」的なものが入るのかな?
2006-04-16 日 23:14:18 | URL | 加納ソルト [編集]
小山内さんの過去に興味がそそられますよね。
終盤に見せたあの執念深さは只者じゃないe-267
次の「夏季限定~」で少しずつ明らかになっていくのか、
「冬期限定」(やっぱり春夏秋冬そろうのかな?)まで引っ張られるのか。
すごく楽しみです。

おいしいココアの入れ方は私も試してみましたe-420
2006-04-17 月 23:29:56 | URL | きなこ [編集]
音もなく人の背後に立てる時点で只者じゃないv-389元アサシンだったとかv-40

春夏秋冬と当然揃うでしょう!揃わなければなりません。
予想としては「冬季限定~」のクリスマスの日に小佐内さんの告白が聞けると思います。出るのは4年後くらい?
2006-04-18 火 21:44:11 | URL | 加納ソルト [編集]
「夏期限定~」読みました。
小山内さん色々な意味で大活躍です。
「現在読んでいる、読む予定の本」に夏期限定ありますね。
感想を楽しみにしています。

私は「冬期限定」で高校3年の受験に絡めて
バレンタインデー、ホワイトデーにヤマ場がくるんじゃないかなと予想。
確かに出るのはまだまだ先になりそうですが、楽しみですね!
2006-05-02 火 00:55:11 | URL | きなこ [編集]
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「春期限定いちごタルト事件」米澤穂信
<あらすじ>恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある小鳩君と小山内さんは、今日も慎ましく小市民を目指す。ところが謎の方が二人を放っておかず、いつのまにか謎の渦中に。 2006-05-02 Tue 00:31:39 | 甘口読書日記

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